バタフライ・エフェクトに見るタイムトラベル
2009年12月21日 映画バタフライ・エフェクト3をDVDで観た。バタフライ・エフェクトとは蝶の羽のゆらめきのことで、南米の蝶の羽の羽ばたきほどのささいなことでも過去を変えてしまったら現在に波紋の様に大きく波及してしまうといった例えを指している。既に1、2と出ていたが、これは限定的タイムトラベルの能力をもった青年が過去に戻り、現在の置かれた状況を修正するために過去を変えていこうとするのだが、何度もやればやるほど裏目裏目に出て未来の状況がますます悪くなっていくといった話である。一般的なタイムトラベルは生身で過去に行き、そこで過去の自分に遭うと、今の自分は過去に未来の自分に遭った記憶を持っていないといけないわけで矛盾が生じる。ただ最近の主流は、意識のみ過去の自分に跳び、これまでの継続した記憶を保持したまま再び人生をやり直そうとするのが多い。この主人公も過去の自分の意識に跳ぶが持続するわけでなく、戻ろうと思った時やショックを受けた時にまた本来の未来の自分に戻って行く。意識は継続しているので既に経験した未来の出来事や何度もタイムトラベルした経験を元に過去の行動を変えて未来を変えようとする。しかし、過去が変化したことによって今の自分の境遇や死んだはずの人が生きていたり、その逆だったりと周りの思わぬ変化に翻弄され、それが気に入らないとまた過去へ跳んで変えようとあがくのである。
1は過去を変えたことによって事故で死ぬはずの連続殺人鬼を助けてしまい、生きていたはずの母親が被害者になっていたりと苦闘する。さらに恋人との関係も変化していてといった主人公の人間性に感情移入できるかなり優れた作品である。2はまた別の主人公が事故で同じ能力をもち、死んだ恋人や親友らを助けるために過去に戻るのだが、人間関係が変わってしまい、事体はよくない方向に行き、何度も過去へ戻りひたすらやり直そうとするのだがといった話。だた脚本は1の足元にも及ばない出来でいまいちである。で今回は3だが自分の恋人が殺人鬼に殺され、無実の親友が犯人にされて死刑執行が迫っている。これを阻止するため過去に何度か飛ぶのだが、事体はますます悪い方向に進み、それにはちゃんとした理由があり、連続殺人犯の意外な正体とか1ほどではないが合格点のつくできだった。かなりホラー色の濃い秀作で1が愛情に主をおく作品なら、こちらはミステリー色の強い作品と言えよう。
総じてタイムトラベルものにははずれは少ないが、古くは「バック・トウ・ザ・ヒュウチャーシリーズ」、「タイムマシン」、「ターミネーター」(これも一応タイム物)、「タイムキーパーズ」、「オーロラの彼方へ」(声のタイムトラベルが歴史に歪みを生じさせる名作)、「時をかける少女」(何度も映画やアニメ化されているが原田知世にかなう作品はない。主題歌もヒットしたな。)、「時の異邦人」(原題;消えたスクールバス 竹内まりあのテーマソングは名曲である。映画は原作をはしょりすぎて残念)などが挙げられる。高畑京一郎著の「タイム・リープ あしたはきのう」も小説から映画化されたし、「メトロに乗って」も結構楽しめた映画だった。また、現在の記憶を保ったまま過去の自分に戻って人生をやり直すタイプの名作ケン・グリムウッド著「リプレイ」、タイムトラベルをスポーツの様に楽しむ人々が次々と殺されていく秀作 乾くるみ著「リピート」なども読んでおくべき作品ではある。なかでも極めつけすごいのは広瀬正 著「マイナス・ゼロ」である。過去の世界にタイムトラベルした少女が、そこで妊娠し女児を出産し、子供はその後他人にひきとられるのだが、その娘が成長し、過去の世界にタイムトラベルし、実は当初のタイムトラベルした少女であったといった自分で自分を生むというものすごいタイムパラドックスの物語である。作品によっては過去は決して変えてはいけない又は絶対に何をしようと変えられない系と現在がよりよくなるなら何度でもどんどん変えちゃおう系の2種類在るのが興味深いところである。
1は過去を変えたことによって事故で死ぬはずの連続殺人鬼を助けてしまい、生きていたはずの母親が被害者になっていたりと苦闘する。さらに恋人との関係も変化していてといった主人公の人間性に感情移入できるかなり優れた作品である。2はまた別の主人公が事故で同じ能力をもち、死んだ恋人や親友らを助けるために過去に戻るのだが、人間関係が変わってしまい、事体はよくない方向に行き、何度も過去へ戻りひたすらやり直そうとするのだがといった話。だた脚本は1の足元にも及ばない出来でいまいちである。で今回は3だが自分の恋人が殺人鬼に殺され、無実の親友が犯人にされて死刑執行が迫っている。これを阻止するため過去に何度か飛ぶのだが、事体はますます悪い方向に進み、それにはちゃんとした理由があり、連続殺人犯の意外な正体とか1ほどではないが合格点のつくできだった。かなりホラー色の濃い秀作で1が愛情に主をおく作品なら、こちらはミステリー色の強い作品と言えよう。
総じてタイムトラベルものにははずれは少ないが、古くは「バック・トウ・ザ・ヒュウチャーシリーズ」、「タイムマシン」、「ターミネーター」(これも一応タイム物)、「タイムキーパーズ」、「オーロラの彼方へ」(声のタイムトラベルが歴史に歪みを生じさせる名作)、「時をかける少女」(何度も映画やアニメ化されているが原田知世にかなう作品はない。主題歌もヒットしたな。)、「時の異邦人」(原題;消えたスクールバス 竹内まりあのテーマソングは名曲である。映画は原作をはしょりすぎて残念)などが挙げられる。高畑京一郎著の「タイム・リープ あしたはきのう」も小説から映画化されたし、「メトロに乗って」も結構楽しめた映画だった。また、現在の記憶を保ったまま過去の自分に戻って人生をやり直すタイプの名作ケン・グリムウッド著「リプレイ」、タイムトラベルをスポーツの様に楽しむ人々が次々と殺されていく秀作 乾くるみ著「リピート」なども読んでおくべき作品ではある。なかでも極めつけすごいのは広瀬正 著「マイナス・ゼロ」である。過去の世界にタイムトラベルした少女が、そこで妊娠し女児を出産し、子供はその後他人にひきとられるのだが、その娘が成長し、過去の世界にタイムトラベルし、実は当初のタイムトラベルした少女であったといった自分で自分を生むというものすごいタイムパラドックスの物語である。作品によっては過去は決して変えてはいけない又は絶対に何をしようと変えられない系と現在がよりよくなるなら何度でもどんどん変えちゃおう系の2種類在るのが興味深いところである。
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